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会長通信  ·  2020/04/05

新型コロナウイルスの猛威について

一般社団法人日本POPサミット協会

会 長 安 達 昌 人

 皆さんこんにちは!

 日本は今、これまでに全く経験したことのない大変な事態となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 今年の1月20日に横浜港を出発し、鹿児島、香港、沖縄を巡って2月4日に横浜港に帰港する予定だったクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス」。しかし、香港で下船した乗客の一人が新型コロナウイルスに感染していたことが判明。乗客・乗務員の計3411人を乗せて4日に横浜港に到着したものの、運営会社が下船延期を決定。翌5日に船内に10人の感染者を確認した日本当局は、乗員乗客を14日間、船内に待機させて検疫を行うと発表したものです。

 ところがその後、他地域への感染を防止するために中国の武漢市が、都市封鎖されるなどの政策が報じられましたが、そうこうしている内に、またたく間に凄まじい勢いでパンデミック(感染の世界的な大流行)に発展し、中国や日本ばかりでなく、今や新型コロナウイルスがヨーロッパから米国まで全世界で猛威を振るっていている恐ろしい状況は、毎日の報道に見る通りです。

 私達の周辺では、あらゆるイベントや会合、また関連施設が閉鎖され、オリンピックまでが延期となりましたが、これは止むを得ないことでしょう。政府の施策が遅れたと批判されるのは仕方のないことです。経済への打撃は大きく、特に身近な飲食店や物販店など、中小企業の蒙る打撃は甚大です。(現に、皆さん方の仕事もそうでしょうが、私自身も研修等の業務に影響が出ています。)だが、経済への影響以上に、人命が尊重されるべきことは言うまでもないことです。

 

 さて、ここで今、話題になっているのが、カミュの小説「ペスト」(新潮文庫1969年刊)です。この小説の題材が、封鎖された武漢市の状況に酷似していて、ネットで共有されたためか、今もロングセラーとして毎月300冊ほどを出荷していたものが、急激に注文が殺到し始め、新潮社が1万部を増刷したと最近の朝日新聞が報じています。

 「ペスト」はフランスの作家アルベール・カミュ(ノーベル賞作家)が、1947年に発表した代表作です。カミュはサルトルとともに、当時の「実存主義」思想の旗頭とされ、その「不条理」という概念が注目されました。つまり、世界には「不条理」が満ちていて、人生の不条理は避けられないという考えを主張し、不条理に対する人間のさまざまな反応を例示しました。日本で最初に出版されたのは「異邦人」(1951年)で、小説の主人公は母の葬式の翌日に恋人と海岸で遊び、無意味な殺人を犯すのですが、それは太陽の眩しさのためだという。その「不条理」の不可解さが話題になって、かえってベストセラーとなったものです。私はその翻訳された簡潔な文体に惹かれましたが。

 しかし「ペスト」は「不条理」が集団を襲う物語で、真摯に取り組まれた名作だと思います。この「不条理」は伝染病のペストです。

 舞台はフランスの植民地であるアルジェリアのオラン市。ある朝、医師のリューは階段でつまずき、それは死んだネズミでした。やがて死者が出始め、リューはペストが原因であることに気付きます。新聞・ラジオがそれを報じ、市はパニック状態に。猖獗を極めるペストの蔓延で死者の数は増える一方で、初めは楽観的だった市当局も対応に追われ始めます。

 オラン市は、外部と完全に遮断され、脱出不可能の状況となり、市民の精神状況も困憊していきます。後手に回り続ける行政の対応、厳しい状況から目をそらし現実逃避を図る人達。 

 ランベールという名の男は妻の待つパリに脱出しようとして、市内に逃亡している犯罪者に助力を求めます。カトリック教会の神父は、ペストの発生は人々の罪のせいだと言い、悔い改めよと説教します。一人の少年が苦しみながら死んだのも罪のせいだと言う神父に、リューは抗議します。この神父もペストで死亡します。

 リューの妻も市の外にいて、病気療養中です。脱出を促す人もいますが、やらねばならない仕事があるといって残り、友人のタルーとともにこの極限状況に立ち向かい、あらゆる試みが挫折しながらも、懸命に患者の治療を続けます。この活動に共鳴した人達が人間の尊厳をかけて連携し、志願の保険隊を組織して協力します。ランベールも加わります。

 9か月後、厄災は突然、終息します。人々は元の生活に戻ります。ランベールは妻と再会し、犯罪者は逮捕されます。友人のタルーは、ペストの終焉後、病死します。リューは療養中の妻が死んだことが知らされます。

 

 最後まで「不条理」がリューを打ちのめしますが、それでもなお、後世のためにすべての記録を記し残しておこうと決意するのです。

 この小説は、ナチスドイツ占領下で起こった出来事、またカミュ自身がレジスタンス活動で目撃した人間模様が反映していると言われます。過酷な占領下で横行した裏切りや密告、同胞同士の相互不信、刹那的な享楽への現実逃避、その中にあっての協調した闘争活動などが下敷きとなっているようです。

 

 今日の状況がいつ好転するかは不明です。どうぞ皆さんもお気を付けください。ひたすら規則に従って、自分を守るとともに、周囲に厄災をもたらさないように注意して、早期終息を願いたいと思います。

 また、災害の記憶はしばらくすれば色褪せがちですが、今後、しっかりと自分の脳裏に刻み付けておきたいものだと考えます。

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